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戦闘訓練の後 ~イライザの独白~

歓迎会の後。
レーゼは一人広場で空を見上げていた。
その姿はどこか儚げで、さびしそうな瞳をしていた。

「……レーゼ、どうしましたか?」
「……イライザか。お前には関係のないことだ」

そう言って私から離れる彼。
しかし、私にはわかっている。彼が今何を思っているか。


『えらん、だ……?』
彼は私と初めてあった時、私を『エランダ』と呼んだ。
のちに聞いた話では彼の恋人『だった』女性らしい。彼女がどうなってしまったのかまでは聞いてはい
ないが。
だが、彼がその名を呼んだとき。その瞳は信じられないような色をしていたのは確かだ。

『私の名はイライザ・エリスンです。助けていただき、ありがとうございました』
私はとある者に狙われていた。それを救ったのが彼、レーゼだった。
『……そう、か。いや礼はいらん』
彼はそういって顔をそむける。
私にはそれが、どこか悲しげな表情に見えた。

『イライザと言ったか。お前と契約すればバラミダへ行けるのだったか』
『そのとおりです。そして私は契約しなければ実体を得ることはできません』
そう、今の私は幽体である。ゆえに敵に対してなすすべがなく、逃げるしかなかったのだ。
『ならば私と契約しろ。そして……私をバラミダに連れて行け』


彼はバラミダに何を求めたのか。それは私にはわからない。
ただ、彼は地上にいるのがいやだったのだと思う。
死んだ恋人『エランダ』に今も囚われた彼。
彼の中にはどのような深い悲しみがあるのか。私には想像もできない。
だから――

「私は、いつまでもそばにいます」
「……勝手にしろ」

――私は、大切な彼のためにもあえて人形となろう。
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